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会社名:中村建設株式会社 事業内容 :総合建設業(土木・建築) 従業員数 :214名
中村建設株式会社は、浜松市に本社を置く総合建設業です。土木・建築という従来の2大事業に加え、現在、微生物(AMF菌)と高速成長樹(早生日本桐)を掛け合わせた「二酸化炭素削減事業」を立ち上げ、全国的な注目を集めています。
自社のScope1・2の削減に留まらず、地元の耕作放棄地対策や山林再生、さらにはサプライチェーン全体(Scope3)の炭素削減までを見据えた壮大なビジネスモデルを構築。同社が目指す「環境と経済が循環する未来」について、取り組みを牽引する顧問の草島氏と、サステナビリティ推進担当の石塚氏にお話を伺いました。
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奥左:草島氏、奥右:石塚氏
草島 氏: 実は、最初から「早生日本桐(ソウセイニホンギリ)でCO2を削減しよう!」と狙って始めたわけではないんです。すべての原点は、私たちの本業である土木工事、その中でも「のり面(斜面)の保護技術」にありました。
のり面を削った後に植物の種を吹き付けて緑化する際、私たちは「菌根菌(AMF:Arbuscular Mycorrhizal Fungi)」という、植物の根に共生して成長を促す微生物を活用していました。この菌を混ぜて吹き付けると、芝の根が地中深く、そして長く伸びて、斜面を非常に強固に固めてくれるんです。この技術で県の経営革新計画を取得したのが、微生物との出会いの第一歩でした。
その後、2年目に入り、「この菌根菌の技術と、驚異的な成長スピードを持つ『早生日本桐』を組み合わせて、新しい土木工法や資材を開発できないか」というアイデアが社内で浮上しました。
草島 氏: 最初は、「ボタニカルブラスト工法(以下、ブラスト工法)」への応用からでした。橋脚などの鋼構造物は、定期的に古い塗装や錆を削り落として塗り替える必要があります。従来は砂や鉄の細粒を吹き付けるのですが、これだと健全な塗装、全てを取ってしまう。
そこで、非常に柔らかい「早生日本桐」を細かなチップ(ブラスト剤)にして吹き付ける試験を行いました。これなら、錆や塗装面だけを綺麗に剥がすことができます。この実証実験を行うために、令和6〜7年度にかけてプロジェクトを進めていきました。
しかし、実証のために早生日本桐を実際に植えて育てていく中で、私たちは気づいたんです。「この木の成長力とCO2吸収力そのものが、これからの脱炭素時代において、凄まじい価値(ビジネス)になるのではないか」と。そこからプロジェクトが、ブラスト資材の開発という枠を超えて、地球規模のCO2削減ビジネスへと一気にシフトしていきました。
石塚 氏: 「早生日本桐」は、もともとアジアやヨーロッパ、アメリカなどを経て日本に渡る過程で変異した、非常に成長が早い高速成長樹です。一般的な「桐」は日本の伝統的な樹木ですが、早生日本桐はさらに驚異的なスピードで成長します。通常でも5〜6年で生木(伐採可能な大きさ)になりますが、ここに「AMF菌」を組み合わせることで、わずか「4年」で直径40cm、高さ10m近くの生木にまで成長させることができます。実に1〜2年も成長期間が短縮されるのです。