IPCCの評価報告書

世界の温室効果ガス排出量削減に向けて気候変動枠組条約締約国会議(COP××(××は開催回))では、IPCC(※)による評価報告書を科学的な基礎として様々な議論が行われており、この評価報告書は、世界的な合意形成や、各国の目標設定、政策決定に大きく影響しています。 世界的な傾向を先取りするための情報として、IPCCの評価報告書の内容についてある程度理解しておくとよいでしょう。

※IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change「気候変動に関する政府間パネル」  1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立された政府間組織  195の参加国と地域が参画している  現在までに第1次から第6次までの評価報告書が公表されています。それぞれの評価報告書で主張された内容と、どのような国際的な合意に結び付いたかを簡単に紹介します。

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第1次評価報告書(FAR 1990年)

「人為起源の温室効果ガスがこのまま大気中に排出され続ければ、生態系や人類に

重大な影響をおよぼす気候変化が生じるおそれがある」

21世紀末までに平均気温が1.5~4.5℃上昇し、海面は33~65cm上昇すると予測。

各国に温室効果ガス排出削減の必要性を訴えた。

➡1992年の国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の採択に大きな影響を与えた。

第2次評価報告書(SAR 1995年)

「人間活動が、人類の歴史上かつてないほどに地球の気候を変える可能性がある」