今回は国や政府によって行われるカーボンプライシングの内、炭素税に焦点を絞り、世界でも最も早い段階で炭素税を導入した北欧3国の動きを説明します。

■北欧3国(フィンランド、スウェーデン、デンマーク)の炭素税導入

EU域内のカーボンプライシングとして2005年にEU ETS(欧州排出量取引制度)が導入され、EU域内の各国で運用されています。 それに先駆けて北欧3国では、1990年代に炭素税が導入されました。1990年にフィンランドで世界初の炭素税が導入され、その後、1991年にスウェーデン、1992年にはデンマークが炭素税を課すようになりました。 導入当初から、発電用燃料やバイオ燃料については免税するなどの方法で柔軟に運用し、産業部門に軽減措置を適用しつつ徐々に税率を引き上げることにより、国全体の二酸化炭素排出量を減少させつつGDPを増加させることに成功しています。

■北欧3国の炭素税導入の特徴

・フィンランド

世界初の炭素税導入国家であり、税率調整を通じて経済成長と排出量削減の両立を実現しています。

・スウェーデン

特に高い炭素価格(税率)により排出量削減効果が実証済み。最近ではEU ETS連携により、大きな排出量削減効果が出ています。

・デンマーク

導入初期の軽減措置を徐々に撤廃して税率を一本化し、風力技術の拡大により排出量を削減し、再生可能エネルギー関連の輸出が拡大しています。

■北欧3国の貢献

世界に先駆けて炭素税を導入した北欧3国の取り組みにより、税率と補助や免除措置を工夫することで、経済成長を損なわずに二酸化炭素の削減を実現できるという実証ができました。 この結果は、EU域内だけでなく、世界各国の炭素税や排出権取引制度、炭素税に対する影響緩和政策に方向性を示し、カーボンニュートラルに向けた行動を制度面から支える政策立案に大きな影響を与えました。